nomitoriのメモ

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乾電池の発明者誰なんだ問題

つらつらと乾電池のWikipedia記事読んでたら、日本人が発明したようなことが書いてあった。

乾電池 - Wikipedia

乾電池は、小型湿電池の性能に不満を抱いた日本の時計技師屋井先蔵が、より取り扱いが簡素でまた日本の寒冷地でも使用可能な時計用小型一次電池「屋井式乾電池」を発明。その後、ドイツのカール・ガスナーがドイツで乾電池の特許を取得し、1887年(明治20年)寒冷地でも使用可能な電池として発明された。 

でも英語版記事みても屋井さんの名前はなく、ガスナーさんが1886年にドイツで特許とったのが初めとある。

Dry cell - Wikipedia

In 1886, Carl Gassner obtained a German patent (No. 37,758) on a variant of the Leclanché cell, which came to be known as the dry cell because it did not have a free liquid electrolyte. Instead, the ammonium chloride was mixed with Plaster of Paristo create a paste, with a small amount of zinc chloride added in to extend the shelf life. The manganese dioxide cathode was dipped in this paste, and both were sealed in a zinc shell, which also acted as the anode. In November 1887, he obtained U.S. Patent 373,064 for the same device.[2] 

 

屋井先蔵Wikipedia記事には

屋井先蔵 - Wikipedia

  1. 発明にしたにもかかわらず、貧乏のため乾電池の特許を取得はできなかった(当時の特許取得料金は高額だった)。また、乾電池を発売した当初、大半の世論は「乾電池などという怪しいものが正確に動くはずがない」というもので、先蔵の乾電池は全く売れなかった。さらに持病の為に寝込む日が続き生活は貧窮を極めた。さらに、先蔵の乾電池の価値を知った外国人が万博にて自分が発明したものだと主張したため、しばらく時間が経つまで世界で最初に乾電池を発明したのが先蔵であると認知されなかった。

と「栄光なき天才たち」っぽい事が書いてある、というかまるでガスナーが屋井をパクったかのような書きっぷりである…

それはともかく、先出願主義的にはガスナーが最初というのは間違いないようである。

もうちょっとまともなソースないのかと思ったら、国立公文書館の記事を教えてもらった。

www.archives.go.jp

電池の発明は、1800年にイタリア人ボルタによる電池を初めとし、日本へは、安政元年(1854)ペリーにより将軍への献上品の一つとしてもたらされました。その後1868年、フランス人ルクランシェが塩化アンモニウム溶液、二酸化マンガン亜鉛からなる電池を開発しました。しかしこれは、溶解液がこぼれるなど実用には向かず、1888年、ドイツ人ガスナー等が液のこぼれない電池、いわゆる乾電池を発明しました。しかし、ガスナー達に先立つこと一年前の明治20年(1887)、屋井先蔵(やいさきぞう) (1863―1927)は「屋井乾電池」を発明していました。

これみると屋井は1887年、ガスナーは1888年に発明とされていて、先発明主義的には屋井が発明者ということになる。

他にもいろいろ検索してみたが、英語圏ではガスナーが発明者とされていて屋井の名前はほとんどない。

Wikipediaの英語版にはバッテリーの歴史だけでの記事もたっていて。

History of the battery - Wikipedia

In 1886, Carl Gassner obtained a German patent[23] on a variant of the Leclanché cell, which came to be known as the dry cellbecause it did not have a free liquid electrolyte. Instead, the ammonium chloride was mixed with Plaster of Paris to create a paste, with a small amount of zinc chloride added in to extend the shelf life. The manganese dioxide cathode was dipped in this paste, and both were sealed in a zinc shell, which also acted as the anode. In November 1887, he obtained U.S. Patent 373,064 for the same device.

Unlike previous wet cells, Gassner's dry cell was more solid, did not require maintenance, did not spill, and could be used in any orientation. It provided a potential of 1.5 volts. The first mass-produced model was the Columbia dry cell, first marketed by the National Carbon Company in 1896.[24] The NCC improved Gassner's model by replacing the plaster of Paris with coiled cardboard, an innovation that left more space for the cathode and made the battery easier to assemble. It was the first convenient battery for the masses and made portable electrical devices practical, and led directly to the invention of theflashlight.

The zinc–carbon battery (as it came to be known) is still manufactured today.

In parallel, in 1887 Wilhelm Hellesen developed his own dry cell design. It has been claimed that Hellesen's design preceded that of Gassner.[25]

In 1887, a dry-battery was developed by Yai Sakizō (屋井 先蔵) of Japan, then patented in 1892.[26][27] In 1893, Yai Sakizō's dry-battery was exhibited in World's Columbian Exposition and commanded considerable international attention.

 こちらでは、ガスラーのドイツ特許取得は1886年で、屋井の発明は1887年とある。

で、ここからリンクはってあるところに1887年のアメリカでの特許があるんやが

Patent US373064 - Gael gassier - Google Patents

 

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OCRでは読み取れてないが画像をみるとたしかに、Patented in Germany April 8,1886, No.37,758 とある。

ガスナーが1886年にドイツで特許を取得していたのは間違いなさそう。

ガスナーが特許の時点で物をつくれていたのか、屋井の発明時期は本当に1887年なのかがわからないので、最終的な判断はできないけど、とりあえず世界的にガスナーが発明者とされている状況はひっくりかえらなそうだなというのはわかりましたです。

もうちょい詳しいこと知っている人いたら教えてくださいな。